2023.02.28|障害年金

傷病手当金と障害年金

働いていた人が病気やケガによって働けなくなったときに受給できるものとして「傷病手当金」と「障害年金」があります。どちらも就労による収入が得られずに困っているときに受給できるものなので、経済的にとても助かります。しかし、この2つを同時に受給する際には知っておくべきことがあります。

傷病手当金とは、健康保険の被保険者が、業務外で生じた病気やケガによって働くことができない状態になったときに、給与の約2/3に相当する額を通算で最長で1年6か月間もらうことができる給付金制度です。

ここでいう健康保険とは、協会けんぽ(全国健康保険協会)、各企業で組織された健康保険組合、公務員や私立学校教職員が加入する共済組合を指します。傷病手当金を受給するにはこれらの被保険者である必要があります。

傷病手当金をもらうための条件として

  • 業務外の事由による病気やケガの療養中のための休業であること
  • 3日間連続して仕事ができず、4日目以降も仕事ができない状態であること
  • 療養の期間中に給与の支払いを受けていないこと
  • 療養の開始時および支給の開始時に健康保険の被保険者であること               などがあります。対して、障害年金とは、病気やケガによって日常生活や仕事に制限を受けている状態の人が受給できる年金制度です。(年金ではなく一時金の場合もあります。)

    病気やケガのために初めて医療機関を受診した日を初診日といいますが、初診日に国民年金に加入していた人は障害基礎年金を、厚生年金保険に加入していた人は障害厚生年金と障害基礎年金(3級は障害厚生年金のみ)を受給することができます。

    原則として、初診日から1年6か月を経過した日以降から受給することができます。

    条件としては

  • 障害の程度が障害認定基準に該当していること
  • 初診日の前日の段階で、初診日までの過去1年間に保険料の未納がないこと
  • 上記に該当しない場合は、初診日の前日の段階で、初診日までの全加入期間のうち2/3以上の期間の保険料を納付または免除になっていること

この2つは同時にもらうことができますが、両方を全額もらえることはありません。(併給調整)どちらかが減額されたり、支給停止されるのです。

具体的には、障害年金の方が優先的に支給され、傷病手当金の方は差額がある場合のみ差額だけが支給されることになります。

一般的には、傷病手当金の方を先に受給するケースが多いです。このケースの場合の流れは以下のようになります。

傷病手当金のあとに障害年金を受給するとき

・まずは傷病手当金が通常どおり全額支給される→後から障害年金の受給が決定して支給が始まると、重複期間についても障害年金全額支給される→このままでは重複部分が生じてしまうため、健康保険の方から「障害年金と重複して支給した部分の傷病手当金を返還してください。」という連絡がきます。

それなので私は障害年金の受給が決定した時に「入金があっても全部使わないでくださいね後から返さなくてはいけませんから」と説明しています。

この併給調整は個々の事案で変わってきますので、詳細は年金事務所か社労士に相談する方が良いでしょう。

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