この記事のことはこの頃感じていました。基本は最初に医療機関で受診した日を「初診日」として年金が支給されるのです。ここに年金財政との関わりを感じてしまいます。一般紙の一面に書かれるということに衝撃を受けています。
https://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=692464&comment_sub_id=0&category_id=112&from=news&category_list=112~中日新聞ウェブ版より
診断の難しい脳障害や病気の患者が、疾患名が確定するまで国の障害年金を受け取れないケースが近年、相次いでいることが分かった。事故に伴う脳脊髄液減少症や、慢性疲労症候群(CFS)といった疾患は生活に大きな支障が出る一方、診断に数年かかることが多い。年金を受け取れない空白期間が生じることで支給額が数百万円減る場合もあり、患者は生活苦を余儀なくされている。
患者数は潜在的なケースを含めると、いずれも数十万人とも言われる。障害年金を専門に扱う複数の社会保険労務士によると、以前は最初に医療機関で受診した日を「初診日」として年金が支給されるのが一般的だったが、ここ二、三年の間に診断確定後でないと支給が認められない例が増えたという。
日本年金機構は「初診日がいつかは個別のケースに応じて総合的に判断している」として、変化の理由を明らかにしていないが、社労士らは「支給を絞る意図があるのではないか」と改善を求めている。
脳脊髄液減少症は、交通事故などの衝撃で脳や脊髄を覆う硬膜に穴が開き、内部の髄液が漏れることで頭痛やめまいなどが現れる症状。専門医が少なく診断が難しいため、複数の病院を受診し、数年かかってようやく確定診断を得られる患者が多い。
患者団体に協力している白石美佐子社労士(愛知県)によると、従来は事故などの直後に医療機関にかかった日を初診日として、障害年金がさかのぼって支給されるケースがほとんどだったが、昨年秋以降に申請した十八件中十件は、確定診断を出した病院の受診日などを初診日とされた。障害基礎年金一級の場合、支給が一年遅れると約九十七万円が受け取れなくなる。
激しい疲労や体調不良が長期間続くCFSでは、宇都宮市の女性が診断確定までの約三年半、障害年金が支給されなかったのは不当として、今年二月に国を提訴し係争中。化学物質過敏症で不服申し立てをしている人もいる。
◇日本弁護士連合会(日弁連)は五日、障害年金に関する電話相談会を実施する。番号は0570(073)115で、午前十時から午後四時まで全国で受け付ける。詳しい情報を日弁連のホームページに掲載している。
◆診断1年半「もらえないのか」
障害年金を申請しても、最初に医療機関にかかった日を「初診日」と認められない問題では、支給が遅れるだけでなく、年金額がゼロになる場合もある。
「確定診断が出るのが遅れたから年金をもらえないかもしれないなんて、おかしい」。脳脊髄液減少症がある愛知県小牧市の男性(60)は納得できない様子だ。
二〇一四年十二月中旬、会社からの帰り道に車を運転中、路面凍結が原因でトラックと衝突。頭と全身を打った。何とか自力で家に帰ったが、頭痛が続いた。
翌日、近所の整形外科を受診し、紹介状を書いてもらって病院で検査を受けたが、その病院の検査機器では脳脊髄液減少症とは断定できなかった。点滴治療や服薬を続けたものの、一時期は右半身が動かなくなるなど症状が悪化。会社は辞めざるを得なかった。
事故から約一年半後の一六年六月、名古屋市の病院へ行き、精密検査でようやく診断が確定。一四年の事故直後の日付を初診日として、障害年金を申請した。
ところが、日本年金機構は確定診断を出した病院を受診した一六年六月の日付を初診日として差し戻し。障害年金は初診日に加入していた制度によって受け取れる種類が決まるため、会社を退職して国民年金の加入者だった男性は厚生年金ではなく、基礎年金になる。
しかも、障害が最も軽い三級と判定される可能性があり、厚生年金なら年間約五十八万円を受け取れるが、基礎年金は三級では一円も支給されない。
男性は二十四時間頭痛が続き、強い薬を飲まないと、倦怠(けんたい)感で体を動かすこともままならない。蓄えを取り崩して生活してきたが、底を突いた。「精密検査ができる病院がたまたま近くになかっただけ。厚生年金の保険料をちゃんと払い、加入中の事故なのに、理屈に合わない」と訴えている。
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