2026.03.10|障害年金

障害年金と傷病手当金について

障害年金と傷病手当金の併給調整の基本ルールを知らないといけません。

障害年金と傷病手当金は、どちらも「働けない状態」に関係する給付ですが、目的も支給根拠も異なる制度です。そのため、同じ病気が原因で両方の支給対象期間が重なると、重複して受け取れない部分が生じることがあります。

1. 同じ病気が原因で、支給対象期間が重なる場合
● 障害年金(障害厚生年金)が優先される
• 障害年金は 全額支給
• 傷病手当金は 支給されない(ゼロ調整)
● ただし、障害年金の額が傷病手当金より低い場合
• 傷病手当金は 差額のみ支給

例:
• 傷病手当金:月20万円
• 障害厚生年金:月12万円
→ 差額8万円が傷病手当金として支給される
この仕組みは、**「同じ病気で二重に所得補償を受けることを避ける」**ために設けられています。

 

2. 障害手当金(厚生年金保険の一時金)との関係
障害年金ではなく、厚生年金保険の一時金である 障害手当金 を受ける場合は、調整の考え方が異なります。
● 障害手当金の額に達するまで、傷病手当金は支給されない
• 障害手当金は一時金
• 傷病手当金は日額で支給
• 両者の合計額が障害手当金の額に達するまでは、傷病手当金は支給されない
これは、障害手当金が「労務不能の補償」としての性格を持つため、傷病手当金と性質が近いことが理由です。

3. 調整されずに支給されるケース(誤解が多い部分)
以下のいずれかに該当する場合は、併給調整は行われず、両方が満額支給されます。
● ① 障害年金と傷病手当金の原因傷病が異なる
例:
• 障害年金 → うつ病
• 傷病手当金 → 骨折
→ 調整なし
● ② 障害基礎年金しか受給していない(これが意外と多いのです)
障害基礎年金は「所得補償」ではなく「生活保障」の性格が強いため、
傷病手当金と調整されない。
● ③ 支給対象期間が重なっていない
• 傷病手当金の支給終了後に障害年金が発生
• 障害認定日が傷病手当金の支給期間外
→ 調整なし

4. 注意すべきポイント
• 「同じ病気かどうか」の判断は医師の診断書・カルテの記載が基準
• 障害年金の初診日と傷病手当金の初診日が異なるケースは要注意
• 障害厚生年金3級でも調整対象になる(誤解が多い)
• 調整は「支給額ベース」で行われるため、月額換算の考え方が重要
• 障害年金の遡及請求が認められた場合、過去の傷病手当金が返還対象になることがある

障害年金と傷病手当金は、どちらも働けない状態を支える制度ですが、目的が異なるため、同じ病気で支給期間が重なると調整が行われます。
原則として障害年金が優先され、傷病手当金は支給されませんが、障害年金の額が低い場合は差額が支給されます。
一方、原因が異なる場合や障害基礎年金のみの場合は調整されず、両方を受け取ることができます。
制度の仕組みを正しく理解し、損のないように手続きを進めることが大切です。

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