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最初に、年金の「繰上げ受給」について整理しておきましょう。老齢年金は、通常65歳から受け取れる制度となっています。しかし、早めに年金を受け取りたい場合には、65歳になるよりも早くに受給が可能です。
年金の「繰上げ受給」とは、この仕組みを指します。最大で60歳まで早められ、1ヶ月単位で調整できるのもポイントです。反対に、65歳以降に年金を受け取れるよう受給年齢を遅らせたい人は「繰下げ受給」を選択します。
年金の繰上げ受給は、早くに年金が受け取れる代わりに、65歳からの受給、あるいは繰下げ受給と比較すると、1ヶ月分の受給額が減ってしまいます。減額の割合は、1ヶ月につき0.4%もしくは0.5%です。反対に、繰下げ受給を選ぶと、1ヶ月あたりの受給額が0.7%増えます。こうした点も考慮して、繰上げ受給をするかどうかを選択しなければいけません。
1ヶ月あたりの受給額が減ってしまうため、年金の繰上げ受給を選択する人はあまり多くないのではないかと考える人もいるでしょう。
実態はどうなのでしょうか。公益財団法人生命保険文化センターによると、年金の繰上げ受給を選択した人は、2020年度末時点で、国民年金に関しては26.1%もいました。厚生年金に関しては0.5%にとどまっています。
65歳で受け取っていれば国民年金の平均年金月額が5万5998円だったところ、繰上げ受給したことにより、4万2578円と減額されました。厚生年金にいたっては、11万1150円から8万8418円へと減額です。
ちなみに、繰下げ受給を選択した人は国民年金に関しては1.8%となっており、厚生年金では1.0%となっています。国民年金に限ってみれば、繰上げ受給を選択する人が繰下げ受給を選択する人よりも圧倒的に多いことがわかるでしょう。
前述のように、年金の繰上げ受給をしている人は、国民年金に関しては受給権者数全体の4分の1ほどいます。受給額が減ってしまうにもかかわらず繰上げ受給するのには、それぞれ理由があるでしょう。
貯蓄だけでは生活が厳しい人が、繰上げ受給を選択している可能性も否定できません。多少減額されたとしても、月に数万円ずつ収入が増えれば少しは生活が楽になります。これまで払い続けてきた保険料の回収を早めに始めたいという心理が働いている可能性もあるでしょう。
また、国民年金の繰上げ受給の割合が多くなっているのは、自営業者のうち、収入が不安定な人などが早めの受給を望んでいるからとも考えられます。
65歳よりも早くに年金が受け取れる「繰上げ受給」を選択するデメリットは、1ヶ月あたりの受給額が減ってしまう点です。それでも、国民年金に関しては、4分の1ほどの人が繰上げ受給を選択しています。厚生年金に関しては0.5%と、ごくわずかです。貯蓄のみでは生活が苦しい人などが繰上げ受給を選択しているといえるでしょう。
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