働いていた人が病気やケガによって働けなくなったときに受給できるものとして「傷病手当金」と「障害年金」があります。どちらも就労による収入が得られずに困っているときに受給できるものなので、経済的にとても助かります。しかし、この2つを同時に受給する際には知っておくべきことがあります。
傷病手当金とは、健康保険の被保険者が、業務外で生じた病気やケガによって働くことができない状態になったときに、給与の約2/3に相当する額を通算で最長で1年6か月間もらうことができる給付金制度です。
ここでいう健康保険とは、協会けんぽ(全国健康保険協会)、各企業で組織された健康保険組合、公務員や私立学校教職員が加入する共済組合を指します。傷病手当金を受給するにはこれらの被保険者である必要があります。
傷病手当金をもらうための条件として
条件としては
この2つは同時にもらうことができますが、両方を全額もらえることはありません。(併給調整)どちらかが減額されたり、支給停止されるのです。
具体的には、障害年金の方が優先的に支給され、傷病手当金の方は差額がある場合のみ差額だけが支給されることになります。
一般的には、傷病手当金の方を先に受給するケースが多いです。このケースの場合の流れは以下のようになります。
・まずは傷病手当金が通常どおり全額支給される→後から障害年金の受給が決定して支給が始まると、重複期間についても障害年金が全額支給される→このままでは重複部分が生じてしまうため、健康保険の方から「障害年金と重複して支給した部分の傷病手当金を返還してください。」という連絡がきます。
それなので私は障害年金の受給が決定した時に「入金があっても全部使わないでくださいね後から返さなくてはいけませんから」と説明しています。
この併給調整は個々の事案で変わってきますので、詳細は年金事務所か社労士に相談する方が良いでしょう。
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