2021.03.26|障害年金

障害年金と老齢年金の関係

中日新聞ウェブ版   ~https://www.chunichi.co.jp/article/223827

Q 障害基礎年金(2級)を40代から受給しています。それまでは国民年金の保険料を納め、上乗せ分の付加保険料も払ってきました。1年足らずですが、厚生年金の加入期間もあります。自営業の夫も国民年金です。障害年金と老齢年金は同時に受けられないようですが、老後の年金はどうなるのでしょうか。

A 年金には老齢、障害、遺族の3種類があるが、受給は「1人1年金」が原則。異なる種類の年金を組み合わせて受けることはできず、どれか1種類を選ぶことになるが、いくつかの例外が設けられている。質問者のように、障害基礎年金を受けている人が65歳以降、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を得る場合もその一つだ。
「1人1年金」の原則でいえば、そのまま障害年金を受け続けるか、老齢基礎+老齢厚生かのどちらかを選ぶしかない。だが例外として、1階部分を障害基礎、2階部分を老齢厚生というパターンも認められる。障害厚生の受給権もある人なら、障害基礎+障害厚生、老齢基礎+老齢厚生、障害基礎+老齢厚生の三つの組み合わせから選ぶことができる。
障害年金に詳しい社会保険労務士の相川裕里子さんによると、障害基礎2級の年金額は、保険料を全て納めた老齢基礎の満額と同じ。障害基礎1級、2級の人は保険料の法定免除対象だが、任意で納めることもできる。「保険料を全期間納めていないなら障害基礎2級の方が高い。ただ、付加保険料を納めていると、老齢基礎の方が障害基礎2級より高くなる場合もある」と指摘。計算して、最も有利な組み合わせを選ぶといい。
実際の手取り額もポイントだ。老齢年金は課税対象だが、障害年金は非課税。支給額そのものが同じでも、税金や社会保険料の負担に差が出ることもある。
障害基礎は症状の改善によって、支給がストップすることもある。相川さんは「障害基礎を受給して保険料の免除を受け、その後症状が良くなって働き始めたようなケースなら、保険料を追加で納めると将来の安心につながる」と話す。

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