https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48777740Q9A820C1EE8000/~日経電子版より経済産業省は中小企業の経営者が第三者に事業を譲るのを後押しする。事業を譲り受ける人があらかじめ入社して働く期間の費用を一部補助するほか、候補者を全国から探せるデータベースを整える。事業を譲るときの税制面の優遇も検討する。後継者不足に悩む中小は多く、廃業になると技術などが失われる。負担減の施策を通じ、円滑な事業承継につなげる。中小企業庁によると、中小企業の経営者のうち約245万人が2025年までに70歳を迎える。そのうち127万人は後継者が決まっていないという。廃業が増えれば、25年までに22兆円の国内総生産(GDP)が失われるとの試算もある。経産省は黒字でも事業をやめるような「望まない廃業」を避けるため、後継者探しを手助けする。20年度予算の概算要求に、後継者の候補となる人にあらかじめ働いてもらう「お試し雇用」への補助を盛り込む。主に人件費の一部を国などが負担する。事業の引き継ぎに関心がある人に数カ月程度働いてもらい、円滑に会社を引き継ぐ素地を整える。中小企業には経営者が親族同士で経営を引き継ぎ、独特の企業風土があることも多い。事業を買い取って引き継ぐ後継者に、企業風土などを知っておいてもらうという狙いがある。補助を受けられるのは、候補者として見込みのあると認められる人に絞る。経営者が社外から後継者の候補を見つけるための支援策も整える。中企庁が全国に設けた「事業引継ぎ支援センター」と日本政策金融公庫、民間のM&A(合併・買収)仲介業者がそれぞれ持つ企業や人材のデータを共有できるようにするのが柱だ。47都道府県ごとにあるセンターは事業承継の手助けをしているが、引き継ぐ対象は同じ都道府県内にとどまることが多い。地方では後継者になりうる若手人材も少ない。事業の買収などを検討する企業のデータを全国ベースで持つ民間事業者と協力し、事業の引き継ぎ先を幅広く紹介できるようにする。第三者への事業の引き継ぎについては、税の優遇も検討する。通常、経営者が他の企業などに会社を売ると譲渡益に20%の税がかかる。この課税額を抑えたり、繰り延べたりできるようにする案がある。年末にかけて財務省と詰める。中企庁は後継者不在による廃業を避けられれば、地域経済の衰退を防げるとみる。休廃業企業のうち半数が黒字企業とされ、黒字での廃業は雇用や技術を失わせる恐れがある。
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