岐阜県】県内の縫製業で長時間労働などをさせられる外国人技能実習生をめぐり、岐阜労働局と中部経済産業局、県は二十六日、アパレル業界の三団体に適正な取引を求める要請をした。外国製品との価格競争を背景に、工賃単価の切り下げなど厳しい業界事情から、下請けの縫製業者で技能実習生が違法な労働を強いられるケースもある。無理な要求をしないよう発注側に協力を求める。
要請先は、岐阜ファッション産業連合会、岐阜メンズファッション工業組合、岐阜婦人子供服工業組合。技能実習生の長時間労働につながる恐れがある短期での納期設定や発注内容の頻繁な変更をしないほか、買いたたきや下請け代金の減額、不当な給付内容の変更をしないよう求めた。
同労働局によると、県内には約一万一千人の技能実習生がいる。最多の愛知県などに次いで、全国で六番目に多い。このうち約三千人が縫製業に関わっているが、受け入れ先の縫製業者から残業代が適正に支払われず、労使協定の上限を超えて働かされる事例も。二〇一五年から今年にかけ、同労働局が書類送検した法令違反は二十件あり、九割が縫製業となっている。
同労働局を訪れた各団体の役員に要請文を渡した畑(はた)俊一局長は、他の事業者と取引する際、著しく短い納期で発注したりしないよう新たに規定した改正労働時間設定改善法などを説明。技能実習生の労働条件の改善に向け、「個々の縫製業者の努力だけでは難しい。発注元からの発注条件や取引環境を改善していくことが大切では」と求めた。
岐阜婦人子供服工業組合の岩田幹夫専務理事は「われわれは縫製業者がなければ立ちゆかない。技能実習生は大切な存在なので、守っていかなければ」と語った。要請内容は組合員に通知するという。
中日新聞ウェブ版より
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