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障害者雇用、テレワークで広がるか 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC013IQ0R00C21A8000000/?unlock=1
~日経新聞ウェブ版より~

IT(情報技術)を活用して障害者が遠隔で働けるようにする取り組みが首都圏で広がっている。障害者は在宅で働くことができるため移動の負担が減るほか、企業は地方在住者など採用機会を増やしやすくなる。コミュニケーションなどの課題はあるが、障害者の働き方の選択肢が広がる可能性がある。

「お待たせしました。グリーンティーをお持ちしました」。6月に開業した東京・日本橋の「分身ロボットカフェ DAWN ver.β(ドーンバージョンベータ)」では白いロボット「オリヒメ」が接客と配膳をする。子どもほどの大きさのロボットが通路を移動して料理を届け、テーブル上に置かれた高さ23センチの小型ロボットが客の話し相手を務める。いずれも障害者が自宅などから遠隔操作している。

同カフェで働く障害者は国内外に住む50人。オリヒメは手を上げるしぐさもでき、店内ではオリヒメ同士やスタッフとコミュニケーションをとる光景も自然に見られる。難病で車椅子生活という三好史子さんは「その場にいるかのように働ける」と話す。

店を運営するオリィ研究所(東京・中央)の吉藤健太朗最高経営責任者(CEO)は「肉体的な分断をなくし、(障害者と健常者が)一緒に働いたり仲間意識を得られたりする社会にしたい」と話す。東京都港区は障害者の就労機会創出に向けてオリヒメを使った実証実験を7月に始めるなど活用の場は広がっている。

障害者の働く場所はまだ多いとは言い難い。一定規模以上の企業には従業員の2.2%(2021年2月まで)の障害者雇用が義務付けられているが、20年の1都3県の雇用率は2.04~2.30%。2.04%の東京は全国最低だ。法定雇用率を達成した企業の割合は少しずつ高まっているが、全体の3~5割にとどまる。足元では新型コロナウイルス流行による雇用環境悪化を受けて「障害者の雇用も減少している」(千葉労働局)。


一方で、コロナでテレワークが進んだことが障害者雇用の追い風になる可能性もある。障害者の採用支援を手がけるD&I(東京・千代田)が4月に人事担当者に実施した調査では、回答者の約4分の1がコロナ後の採用の変化に「テレワークによる雇用ができるようになった」ことを挙げた。

16年に地方在住の重度身体障害者の在宅勤務制度を導入した人材派遣、スタッフサービスグループのスタッフサービス・クラウドワーク(相模原市)も「コロナによる業務への影響はなく、逆に採用が進んだ面がある」と話す。

在宅勤務者はグループの事務作業やネットマーケティング業務などを担う。通院など事情に応じた勤務シフトを組むなど働きやすい環境づくりに気を配り、8月1日時点の在宅勤務者は329人に上る。今後も車椅子で通勤していた人が自宅で作業できる新しい働き方としてPRしていく方針だ。

テレワークではコミュニケーションが課題になりやすい。パラアスリート9人を雇用する戸建て住宅販売のケイアイスター不動産はコロナ対応として、対面で月1回開いていた日々のトレーニング内容の情報共有などをする会議を週1回のオンラインに切り替えた。議論では音声を文字に変換するアプリや手話を使うなどやりとりに工夫を凝らす。

担当者は「オンラインのやりとりは難しさもあったが、楽しみながらできている」と話す。障害を持つ客の来店を想定した接客研修のアイデアにつながるなどの効果も生まれている。
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