2022.05.08|障害年金

障害者の入所施設 待機者1万8000人余

NHKのニュースからです。とても深刻な問題だと思います。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220506/k10013613071000.html?fbclid=IwAR3czQdImb3AhF-TLD6tL1tGwSV0tEAD7oV7Au8eQdU1-0JCli8b6IM_mfE

知的障害者などの入所施設をめぐり、入所を希望し、待機している障害者が全国で少なくとも延べ1万8000人余りに上っていることがNHKの取材で分かりました。高齢の親が障害のある子どもを介護するいわゆる「老障介護」が広がり、親が将来に不安を抱えていることが背景にあるとみられています。国は待機者の調査を行っておらず、専門家は「国は現状をしっかりと把握したうえで必要な対策をとるべきだ」と指摘しています。

障害者の生活拠点をめぐり、国はそれぞれが望む地域で暮らせるよう、数人で共同生活を送るグループホームの整備などを促す一方、入所施設については入所者の数を段階的に減らす方針を示しています。

しかし、NHKが全国の都道府県に取材したところ、施設への入所を希望し、待機している障害者が去年の時点で少なくとも27の都府県で延べ1万8640人に上っていることが分かりました。このうち、東京や埼玉、広島、宮城など13の都県では待機者が年々増える傾向にあり、知的障害者についてはこの10年間で2倍に増えた県もありました。

待機者が増えている都県に主な理由を尋ねたところ、「障害のある子どもを在宅で介護する親の高齢化」と回答したのが6都県と最も多く、次いで「障害者の人口の増加」が1県でした。そのほかは「調査していないので分からない」としています。
高齢の親が障害のある子どもを介護するケースは「老障介護」と呼ばれていて、障害者の親などで作る団体や専門家によりますと、医療の進歩で障害者の平均寿命が延びたことなどにともなって広がっているとみられ、今後、みずから介護ができなくなった時に備えて子どもの入所を希望する親も少なくないということです。

一方、20の道府県は待機者の人数を把握していないほか、国も調査を行っておらず、実態はさらに多いとみられます。

こうした現状について、障害者の政策に詳しい早稲田大学の岡部耕典教授は「将来に不安を抱える親が子どもを入所させたいというケースが増えていると考えられるが、グループホームを含む地域の受け皿が少ないため、施設を選択している人も多いのではないか。国はまず待機者の現状をしっかりと把握したうえで、それぞれが望む暮らしができるよう必要な対策をとるべきだ」と指摘しています。
空きを待つのは主に重度の知的障害者
待機者の人数を把握している都府県によりますと、入所施設を希望し、空きを待っているのは主に重度の知的障害者です。

医療の進歩などによって障害者の平均寿命は延びているとされていて、国の調査によりますと、在宅の40歳以上の知的障害者の人口は推計で2000年の7万5000人から2016年には38万2000人と、5倍余りに急増しています。また、2016年に行われた国の調査では、在宅の65歳未満の知的障害者のうち、74%が親と同居していました。

「老障介護」の世帯数そのものを示す統計はありませんが、障害者の親などで作る団体や専門家は、こうした調査結果などから「老障介護」の家庭が次第に増え、結果として施設への入所を希望するケースが相次いでいるのではないかと指摘しています。

全国の都道府県のうち、去年の時点で待機者が最も多かったのは、延べ人数でまとめている16の県では広島県で1664人、実際の人数でまとめている11の都府県では埼玉県で1594人となっています。

このうち埼玉県では、待機者がこの10年間で1.6倍、知的障害者に限ると2倍に増えたほか、親の年代は70代以上が多くなっているということです。

県の担当者は「ここ数年、障害者の人口の増加と親の高齢化がこれまで以上に進み、『老障介護』の不安が高まっている印象だ。このままでは県外の施設を含めて探さなければならず、それぞれが望む地域で暮らすという本来の目的とかけ離れてしまうおそれがある」と話していました。
体力に限界を感じる親「私が倒れたらこの子は…」
自宅で重度の知的障害などがある娘を1人で介護している70代の母親は、体力に限界を感じる一方で娘が入所できる施設が見つからず、不安を抱えています。

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