2022.02.13|障害年金

年金、65歳から就労で上乗せ

日経新聞で興味深い記事がありました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB011990R00C22A2000000/?unlock=1

「働いて毎月保険料を払っているのになぜ年金額は増えないのか」。社会保険労務士の山本礼子氏は役所の年金相談でこう質問されることがよくあるという。65歳以降も会社勤めをする人たちからだ。「退職するまで変わらない仕組みだと説明してきたが、今年4月に改正され働き続けるメリットを実感できるようになる」と話す。

制度改正のひとつが65歳以上を対象にした「在職定時改定」の導入だ。65歳以降も厚生年金に入って働き続けた場合、現在は厚生年金の上限である70歳に達したときか、退職したときにしか、65歳以降に加入した期間に見合う年金の増額はない(退職改定)。新制度では在職中も年1回年金額が見直され、毎年それまでに払った分の金額が上乗せされる。

在職者は新たな手続きや申請をする必要はない。「年1回増額されるのを楽しみに、長く働く人が増えるのではないか」と社会保険労務士の望月厚子氏は指摘する。対象は約150万人とされる。65~69歳の就業率は2021年に男女合計で50%を超えたが、さらなる上昇に一役買うかもしれない。

長く働く効果実感、年1回10月に改定
厚生労働省によれば、月20万円で1年間働くと増加額は年1万3000円(月1100円)程度、30万円なら同2万円(同1600円)程度になる。年金収入に多くを頼る退職後を考えれば、月1000円でも増やしておきたい。月20万円で70歳まで働くと70歳時点の年金額が65歳時点より年約6万6000円増えるのはこれまで通りだが、69歳までの4年間毎年1万3000円程度ずつ増えるので受取額は単純計算で約13万円の純増になる。

年金額は年1回10月に改定される。具体的には9月1日時点の在職者に対し前年9月からその年の8月までに加入した期間を基に年金額を再計算し、10月分(12月支給)から増える。「今年4月に65歳になる人は4~8月の5カ月分が10月分から、10月に65歳になる人は10~来年8月の11カ月分が来年10月分から上乗せされる」とファイナンシャルプランナー(FP)の井内義典氏は説明する。

65歳を過ぎた在職者もそれまで加入した期間の分が増える。今年4月に68歳になる人は65歳以降の3年間と4~8月の5カ月分の合計が10月分から上乗せになる。

年金本体に付く加給年金ではメリットを受ける人もいる。加給年金は厚生年金に20年以上加入した人に65歳未満で条件を満たす配偶者がいる場合、配偶者が65歳になるまで年40万円弱加算される。例えば65歳時点で加入19年の夫が70歳まで働くと、現在は70歳まで年金額や加入期間が再計算されないので、70歳時点で妻が65歳になっていると加給年金は付かない。新制度では夫が65歳以降の在職定時改定のときに加入20年以上になり、その時点で妻が65歳未満なら支給されることになる。

今回の年金改正では、働いて一定以上の収入を得ている厚生年金受給者の年金支給を停止する「在職老齢年金」も、60~64歳の制度(低在老)を見直す。

月収と年金月額の合計が基準額を超えると超過額の2分の1が支給停止になるルールだが、低在老の基準額を28万円から47万円(22年度)に上げることで停止にならない範囲を拡大する。

減額基準を緩和、女性の就労後押し
月収30万円、年金月額10万円の人は、これまで超過額(12万円)の半分の6万円が支給停止になり、年金は月4万円しか受け取れなかった。4月からは全額受給できるようになる。月収40万円、年金10万円の人は全額支給停止から月8.5万円を受給できるようになる。約37万人いた支給停止対象者は約11万人に減少(22年度末推計)、計算上は約26万人の年金が増える。

対象となる年金は65歳未満に支給される特別支給の老齢厚生年金。この年金は受給開始の年齢が徐々に上がっており、男性が25年度、女性は30年度で終了する。

就労継続を後押しする効果は限られそうだが、これまで年金額が減らないよう収入が一定額で収まるように就労時間などを調整していた人も「フルタイムで働きやすくなる」(山本氏)。制度見直しの恩恵を男性よりも長く受ける女性の方が、減額をあまり気にせず多く働けるようになる。

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