2019.08.16|労務管理

氷河期100万人就職支援、政府 研修業者に成功報酬

政府はバブル崩壊後に高校や大学を卒業した「就職氷河期」世代の就職支援を本格化させる。30代半ばから40代半ばの人たちは、他の世代に比べ国内外の厳しい経済情勢の影響で不遇な労働状況に置かれたとみて、年齢層を絞る異例の対策を講じる。正規雇用で半年定着したら、研修業者に成功報酬型の助成金を出す。支援対象は100万人規模で、経済や社会保障の支え手になってもらう狙いがある。経済財政諮問会議の資料によると、バブル崩壊後の就職難で、統計のある1997~2004年には毎年8万~12万人が未就職で高校や大学を卒業した。現状より3~5倍多い水準だ。
03年に35~44歳で無職やフリーターの人は57万人だったが、18年には92万人に増加した。不安定な就労状況で、所得も正社員などに比べ低いとみられる。引きこもりなどになっている人もいる。
日本総合研究所の分析によると、2人以上の勤労者世帯の実質消費額は就職氷河期にあたる1975~79年生まれの人が40代前半時点で月約30万円となった。これは65~69年生まれが40代前半だった時より2.5万円前後少ない。47~49年生まれの団塊の世代と比べると約7万円減った。30~40代はマイホームの購入や教育費などが増える時期にあたり「国全体の経済成長にも影を落としている」(下田裕介主任研究員)との指摘もある。
所得や消費が伸びず、年金や医療保険の基盤を弱める要因にもなるうえ、老後には生活困窮者が増えるおそれもある。総合研究開発機構(NIRA)によると、氷河期世代の非正規雇用者などが生活保護を受けるようになった場合、追加で累計20兆円規模の給付が必要になると試算している。
所得の引き上げで消費を底上げし、社会保障の担い手になってもらうことで、社会からの疎外感も薄められるとみている。就職氷河期世代のうち非正規で働く人や非労働力人口、完全失業者は計600万人超。このうち100万人程度が支援を必要としていると試算する。月内にも支援策をとりまとめる方針だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48547530U9A810C1MM8000/
~日経電子版より

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